わにの日々-海が好き!編

NY、DC、テキサス、コロラドを経て、大都会ロサンゼルスから、その郊外の海辺の街、レドンドビーチに移り住んだ、ぐうたら中年主婦・わにのトホホな日々

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現代の貧困・読感 --UnderprivilegedとTreshold 

 インターナショナル・フェスティバルに向けて、先週から世界の国をテーマにしたクイズのプリントを配っています。水曜日と木曜日の朝、そのプリントを集め、クイズに答えた子供たちはご褒美に外国のコインを貰えるのです。私も朝にプリント集め+コイン配りをしているのですが、特に高学年の子供たちは、珍しい外国のコインや、古いヨーロッパのコインよりは、実際に使えるユーロを欲しがる。ちゃっかりしているというか、夢がないと言うか...

 さて、岩田正美氏の「現代の貧困」感想文、その三回目です。貧困に陥る要因、貧困の弊害、そして最終章「どうすればよいか」について。この、なぜビンボーになるのか?を、問い詰め、数字を元に理論的に説明しようとした努力は、大いに認識されるべきだと思います。「下層社会」という言葉の流行は、誰でも貧困に陥るのだ、という幻想を与えます。先の「貧困大国・アメリカ」での、『一回の盲腸の手術で破産』という記述を思い出しますが、岩田氏は、それは必ずしもそういえず、貧困に陥りやすいグループの存在を指摘します。低学歴、単身者、女性の場合は、これらに離婚、夫との死別が加わります。そういや、「ガラスの仮面」のマヤちゃんのお母さんも、日向小次郎君のお母さんもシングルマザーだねぇ。

 この、「貧困の要員」の基盤にあるのは、「下層社会」や、「貧困」はぽっと出で誰でもビンボーなんてイロモノではなく、システムによって作り出されるものであること、そして、社会的に不利な状況にある人達が、そんなシステムから零れ落ちた時にはまり込むものである、という冷徹な事実です。そして貧困は、経済的な問題だけではなく、健康問題、虐待など一層の問題を生み出す要因となりうること、個人だけの問題ではなく、社会問題である事が指摘されます。かつての「働かざるもの食うべからず」観は、ワーキングプアの確認によって覆された。働けど、働けど、我が暮らし楽にはならず、じっと手を見てしまう人たちが存在する。彼らを、システムの狭間から救い上げる意義は何か?自分が貧困坂道ゴロゴロでなければ無視していいのか?が、この本の最も重要なポイントだと思います。この本の締めの言葉である、貧困問題は「私たちの社会の持続的安定」に関るものであり、『「私たちの社会」それ自体の存続や安定に深く関っている。』という言葉は、本当に重い。

 最終章「どうすればよいか」には、多くの提案が含まれてはいますが、明確な具体政策案は示されていません。そして、それが一層の、この問題の複雑さを描き出しています。ちょっと政策弄っただけで、急に事態が変わるような問題じゃないんだよ、と。ああ、重い…

 私が気になった外国人労働者問題や、被差別部落問題についても、『別の機会の課題』(あとがき、より)とあるので、次作を期待したいところです。私の修士論文って、日本の外国人違法労働者の経済効果についてだったんだな。

 さて最後に、国際開発を学んだ者としての、この日本の現実と、海外支援をどう捕らえるかの私見。国内にホームレスが溢れ、貧困が社会を蝕む今日、果たして、海外を支援する必要があるのか?まずは、自国民をどうにかしろ、という意見を聞きます。尤もであると思うと同時に、ガキのつかいじゃあるまいし無茶言いなさんな、とも思う。日本は地球の上の国際社会というコミュニティーの一員です。そして、開発援助は、地球村内では結構、裕福で安定した社会の住民である私たちのオブリゲーションであり、この地球という「私たちの社会」の持続・安定の為に(そして私達がこの先も平和に暢気に暮らしていくためにも)、必要なことだと思うのです。お金あって、それなりの暮らししてたら、その暮らしを失いたくないでしょ?テロやっちゃおうとか、ビルに飛行機ぶっつけちゃおうとか、思わないでしょ?鎖国はもうムリなんだから、自分達を守るために、よそ様の事も考えなきゃいけないんです。子供のころよく言われました。相手の立場になって考えろって…

 お付き合い、ありがとうございましたm(__)m
  1. 2008/04/23(水) 19:24:56|
  2. 本と映画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

こちらこそ、コメントを有難うございます。深刻な問題であり、一度読んだだけでは見落とした部分も多いかと思いますので、暫くしてから再読するつもりです。

本当に「環境」を守ろうと言うのも、私達人類共同体を守ることに他なりませんね。具ルーバル蚊の進む今、環境も経済も政治も、地球レベルで考えねばならない…というか、選択の余地のない時代になっているのではないかと思います。
  1. 2008/04/29(火) 18:05:10 |
  2. URL |
  3. わに #yueoteRM
  4. [ 編集]

第3回のコメントも重いです。

第3回のコメントも重いです。ありがとうございました。

「地球」環境問題と言っているものも、本当の意識は「人類」(正確には「人類共同体」)環境問題だと考えています。他の課題についても同様です。

だから、人類共同体の中に困っている人がいれば、「国」内のことであろうと「国」外のことであろうと、支援をしようということになるのだと思います。

そして、また、これは、植民地が独立し、国家(一応、建て前は「国民国家」)として対等の地位にあるかたまりで構成されるようになって以来強まっていった意識だと思います。
  1. 2008/04/29(火) 07:52:08 |
  2. URL |
  3. Miyata Haruo #-
  4. [ 編集]

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