わにの日々-海が好き!編

NY、DC、テキサス、コロラドを経て、大都会ロサンゼルスから、その郊外の海辺の街、レドンドビーチに移り住んだ、ぐうたら中年主婦・わにのトホホな日々

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The Grand Design

 わに夫とその母(わに姑)は。ここんとこ毎日熱いメールを交わしている。仲の良い親子で微笑ましいですね --- では全く無く、聖書に書いてあることは真実と疑わない姑と、反キリスト教無神論者のわに夫が、永遠に平行線の虚しい議論を戦わしているんである。姑は、古き善きアメリカ的価値観を取り戻すべきだと主張し、そして姑的には、この「古き善き」ってのはキリスト教の教えに沿ったもの。これは、無神論者わに夫的には、古き因習に囚われた非合理的かつ非論理的な価値観に思える。わに夫がいきなり神の存在を信じ始めるとは思えないし、姑が聖書の世界を捨てることもなかろうから、二人の議論は終りを見ることなんて決して無いのだ。死んでも、キリスト教的天国とやらと、無の世界かどこかで、互いに争っていそうだ。ともあれ…

 やっと、先日買ったよvと報告した「The Grand Design」を読了いたしました…と、言っても、残念な事に私は宇宙物理学の理論はワケわかめなので、難しい部分は適当に流すという勿体無い読み方しか出来なかいのですが、それでもテンションの上がる一冊でした。さっそく冒頭から、宇宙の真実は「42」ではないという衝撃的な叙述から始まり(ここで、「ええーっ!?」と驚いたあなたは立派にオタクです。素直に認めましょう)、哲学はもはや必要ではない、宇宙創成の説明に神の入り込む余地はないと、次々にエキサイティングなテーゼが叩き付けられます。

 「ホーキング、宇宙を語る」でもそうであったように、ホーキング博士は歴史について語るのがお好きなようで、本著でもキリスト教(特にカトリック)と科学の歴史について語られている部分が多いのですが…ってか、私は物理学乗っ論みたいなトコは目が横滑りしてるので、そう感じただけかもしれないけど、基本的に、科学の世界が、この理論の方がうまく物事が説明できるぞ、となると、既存理論から、より納得のいく理論へと、あっさりと乗り換えるのに対し、宗教は不変のままで、どれだけ外野から「どう考えても、それはおかしいだろー!」と突っ込まれてもビクともしない、って事が語られます。

 科学理論は科学的には証明できるとしても、実際に見たり触ったりと実体験出来ない限りは、あくまでも「仮説」であり、宗教もまた、その意味において「仮説」の一つである(オレ神様見たもん!本当にいたもん!っての事は、ここでは無視しましょうw)。そして現在の時点において、それらの仮説の中で最も宇宙創成を上手く説明しているのが「M理論」であり、一番ヘタな説明が「万物創世の神」ってのんだ、というのが、先の「宇宙創成に神さんはいらんがね」という論旨につながるわけです。

 これは、百歩譲って進化論は許容するけど、それも神様のデザインに沿って進化していったのだよね、とするインテリジェンス・デザイン(知的設計論)の屋台骨である、リンゴが落ちて万有引力を発見した(←ウソらしいけど)アイザック・ニュートンの “This most beautiful system [The Universe] could only proceed from the dominion of an intelligent and powerful Being.”という言葉を真っ向から否定するものです。多くの日本人にとっては、成人男性型で何処から来たのか全く不明な『神』って存在が『無』から宇宙を創りました、そして宇宙の全ては、この『神』のデザインに従って創られているのです、なんて言われても冗談かと思うだけですが、これを信じている人が世界にはでら多い。だから、ホーキング博士が、「宇宙作るのに神いらん!宇宙が自分で勝手に自作自演してるんじゃ」と言っても、日本人は自作自演乙で何も驚かないけど、そんなハズはない!と彼らは激昂するのです。かつて私たちの周りには「不思議」が一杯ありました。説明出来ないことを、自分たちには理解の出来ない「神」という大きな存在に説明を求めたことに不思議はないと思います。でも、それらの不思議は一つ、また一つと正体が解明されて、科学に変わっていった。でも、それを受け入れることの出来ない人は多い。

 八百万の神々の文化に慣れ親しんだ私には、どうも唯一神教のコンセプトは受け入れ難く、むしろ、かくも広大なる宇宙、他の太陽系が無数に存在するかもしれない宇宙を、人間ごときの想像した「神」ってコンセプトで説明付けようとすること事態が、烏滸がましいことに思えてなりません。私は、自然に対して、その個々の存在や事象に「神様」がいるというコンセプトは無意識のうちに受け入れているのではないかと感じています。この「神様」は、「精霊」と言い換えてもいいかもしれません。所詮、呼び名なんてどうでもいいのです。でも、それがどうでもよくないのが唯一神教の考え方ではないでしょうか。

 この八百万の神々vs.唯一神も、わに夫親子と同様、互いに平行線のままでしょう。私には、アニミズム的自然への畏怖を超え、宇宙というものまでを唯一神で一括りにした時、人間の奢りが始まったのではないかという気がしてならないので。この本がキリスト教世界に与えたほどの衝撃を、日本でも期待は出来ないでしょうけど、知的興奮を与えてくれることに変りはありません。「ホーキング、宇宙を語る」がベストセラーになった日本では、この本もヒットするんじゃないかなと思う。早く日本語訳が出ないかな。日本の皆さんのこの本に対する広い議論が楽しみですv



宇宙の真実は、この二つをクリックすることなんだよ!
  1. 2010/09/08(水) 22:37:52|
  2. 本と映画
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
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コメント

ホーキング博士は天の理と地の理を追求する人であって、人の理には余り興味がないのかもしれませんね。
神に関しては、博士もやっぱり、がっちりキリスト教世界に生まれ育った人だけに、その辺りに限界があるのかもしれません。
特殊な宗教観を持つ、日本人科学者の意見も聞いてみたいです。

>または、科学者たちがすでに科学的手法によって、大方解明されていることについて、
>哲学的思考など挟む余地がないという科学者たちのスタンスなんでしょうか。
私も、これ↑が一番、しっくりくる気がします。

この本の翻訳は、日英語に通じているだけではなく、物理学にも詳しい人が必要でしょう。
前著と同じく林一さんと、息子さんの大さんがコンビでやってくれるといいな。
理論系の翻訳では、このお二人が最強だと思います。
  1. 2010/09/11(土) 21:32:52 |
  2. URL |
  3. わに #-
  4. [ 編集]

ありゃりゃぁ、結構白熱してますね。

自然科学を自然科学として捉えようとする、またはそこに宗教的影響を交えて捉えようとする
科学者の疑問ということなんでしょうかね。
大体、宇宙の創世をいまだに哲学的要素を交えて侃々諤々やっているのであれば、それは
ギリシャ時代と大差はないということだと思うんです。

または、科学者たちがすでに科学的手法によって、大方解明されていることについて、
哲学的思考など挟む余地がないという科学者たちのスタンスなんでしょうか。
(ホーキングの宗教みたいに)
だとしたら、科学の最先端のリポートとして、バッシと書くべきだと思います。

概ね、古代のギリシャにみる哲学は自然科学の領域まで包括してましたが、
近世から現代にかけては、それは細分化され、概ね自然科学の領域は
科学者たちに委ねられていますよね。
私も日本語の哲学という言葉をきかされると、人間活動をを中心に、
その何たるかを追求、認識する学問として捉えるでしょうね。

ですから、最初のコメントに、
>ただ人はそうはいきませんネ。
とても厄介な存在です。
ということを加えたんです。

大体この本は、宇宙に関する純粋な科学を主たる目的としたものなのか、
それとも、科学者たちの大衆へ向けての何がしかの啓蒙的な要素も含まれている
ものなんでしょうかね。

>言葉不足な感は否めません。
どうゆうスタンスで書かれたのか、明快でないとしたら、これはおっしゃる通りだと思います。
そこいら辺をもうちょっと、解説しないといけませんね。

本書の内容を認識しないままのコメントで失礼しました。
まぁ、翻訳が出たら、読んでみます。
でも翻訳もちゃんとしなと、大変ですねこりゃ。

hih
  1. 2010/09/10(金) 04:39:03 |
  2. URL |
  3. Demee #-
  4. [ 編集]

Prof. Miyaka

これは、Demeeさんに影響を受けて、私がわに夫に、哲学の必要性を否定したことへの感想を聞いてみた際の返答でもあるのですが、本著中の「哲学」は狭意に、宇宙の誕生や、その意義というような哲学の一分野だけを意味するのではないか、この「哲学」は自然科学のみに限定され、人間性は含まれていないのではないかと、思います。ま、「つかみはばっちり」ではあるけど、言葉不足な感は否めません。

 夫の好きな哲学ネットワークでは、「犬猫に魂はあるか?」なんて事でも真剣に喧々囂々やってるし(一寸の虫にも五分の魂を見出す日本人は呆れますが)、人の行動の中に正義を見出すのも、なぜ開発すべきか?なぜ援助すべきか?は、十分に論議の価値ある哲学的課題であると信じます。そして、そのような議論までを必要ないと言い切ったとは思えませんし、もしそうなら、ホーキング博士と共著者の支店は残念ながら狭量すぎると思います。

>世の中は事実だらけだから、大半の事実は認識されていない。そういう事実の中から意味ある事実を認識できることはすごい
本当にそうだと思います。そして、それこそが「哲学の存在意義」なのかもしれません。
  1. 2010/09/09(木) 21:46:42 |
  2. URL |
  3. わに #-
  4. [ 編集]

宇宙ハンター55さん

 私の読解力では、はっきりとは読み取れなかったのかもしれませんが、ホーキングは「宇宙創成に神の入る余地はない」とは書いていても、神の存在そのもののを否定するような描写はなかったと思います。キリスト教徒でも、人間が猿から進化するなんてとんでもない!という派もあれば、人間が猿から進化したのも上のデザインの一環とする派もあり、それぞれで解釈は違うので、天国の存在についても読者の判断に委ねられているように思います。

 この本を読んだ感想は、ホーキングは焦ってるのかな?でした。死ぬ前に、後々、結局は神の存在を否定しきれ無かった、宇宙創成の真実に近づくことの出来なかった科学者という評判を拭っておきたい、でも、完全に神の存在を否定するには至っていないような… そんな気がしました。
  1. 2010/09/09(木) 21:36:17 |
  2. URL |
  3. わに #-
  4. [ 編集]

多分、哲学あり。

Justiceなども哲学の一角を占めているとすると、正義論もやっているセンは、我々が見過ごしがちな当たり前の事実の中から意味ある事実をきちんと認識し、それらをつなぎ、整理してもっと大きな事実を明らかにしています。これは、物理学などでも同じだと思います。
世の中は事実だらけだから、大半の事実は認識されていない。そういう事実の中から意味ある事実を認識できることはすごいと思っています。
  1. 2010/09/09(木) 07:32:57 |
  2. URL |
  3. Miyata Haruo #-
  4. [ 編集]

カールセーガンの「コンタクト」という映画は、宗教者と科学者がぶつかりあうのですが、最後には理解しあうという内容だったと思います。
西洋では科学と宗教の調和が永遠のテーマなのではないでしょうか。

死後に天国へ召されることを望んでいる人に、神はいないということほど酷なことはないでしょう。
ホーキング博士のつかみはばっちりですが、ちょっと書きすぎかも。
  1. 2010/09/09(木) 05:07:01 |
  2. URL |
  3. 宇宙ハンター55 #-
  4. [ 編集]

 わに夫はネットの哲学愛好家ネットワークに参加しているのですが、今はこの本のことで持ち切りだそうです。
それで、正式には昨日発売だったのに、私が金曜日にゲットしたものだから、「読ませて、読ませて!」と煩いんで、先に読ませてあげたのです。私って良い妻だなぁ…(←自分で言わなきゃ、誰も言ってくれないw)

そういや、哲学の存在は必要ないって事についての、わに夫の意見は聞いていませんでした。帰ってきたら、尋ねてみます。

>昨晩、月と地球の間を
二つとも小さなものだったそうですが、それでも、もしぶつかってたら…と、考えるとドキドキしますね。
 月が地球に捕らわれてしまったのも、ものすごい偶然で起こったことですから、この地球が存在していること事態が奇跡であり、これが単なる偶然であるはずはない、という意見も、判るような気がします。それを「宇宙って凄い!地球人の私、超ラッキー!」と思うか、「誰かが意図的にこうしたとしか思えない。自分たちは、その誰かに選ばれに違いない」と思うかの間に、深い溝があるのかも…
  1. 2010/09/08(水) 21:16:58 |
  2. URL |
  3. わに #-
  4. [ 編集]

>哲学はもはや必要ではない、

哲学人たる、わに夫さんは異論があるでしょうね。

宇宙自体、哲学も宗教も太陽も地球も人も言葉も......、
きっとそんなものあろうとなかろうと一切関係ないんでしょうね。

ただ人はそうはいきませんネ。
とても厄介な存在です。

昨晩、月と地球の間を二つの隕石がかすめ通ったみたいですね。

hih
  1. 2010/09/08(水) 20:09:55 |
  2. URL |
  3. Demee #-
  4. [ 編集]

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